帽子のない水兵


帽子のない水兵


田中貢太郎




まだ横須賀行の汽車が電化しない時のことであった。夕方の六時四十分
比ごろ
、その汽車が田浦を発車したところで、帽子を
冠かぶ
らない
蒼あお
い顔をした水兵の一人が、影法師のようにふらふら二等車の方へ入って往った。
(またこの間の水兵か)
それに気の
注つ
いた客は、数日前にもやはりそのあたりで、影法師のようなその水兵を見かけていた。その時二等車の方から列車ボーイが出て来た。
「君、この間も見たが、今二等車の方へ往った水兵は、なんだね」
列車ボーイは眼をくるくるとさした。

アメーバオウンドで作るウェブサイト

テストサイト的な感じで作ってみました。

0コメント

  • 1000 / 1000